Botanical Journey

マングローブの種? 発根させる!

こんにちは Botanical Journey です。

マングローブは、熱帯/亜熱帯地域の淡水と海水の混ざり合う場所(汽水域の塩性湿地)で植物群落や森林を形成する常緑の高木や低木の総称の事です。
日本では、沖縄県や鹿児島県に天然のマングローブ林があり、ツアーなどでその独特な根の形を観察することができますね。
今回は、マングローブの中でもヤエヤマヒルギと呼ばれるヒルギ科の種を発根させるまでの過程を紹介します。

 

ヒルギって?

マングローブの種類は5科7種!


日本国内にはマングローブと呼ばれる植物が5科7種存在していて、汽水域の海側から陸地側までのそれぞれの性質に適した場所を選んで棲みついています。
マングローブの中でも、メヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギという名前を聞いたことがあるかもしれませんが、マングローブの代表的な種類はヒルギ科の3種類です。
ヒルギ科の中でも、ヤエヤマヒルギは塩分に強いので汽水域の海側に生息していて、メヒルギやオヒルギはより塩分濃度の低い陸地側に生息しています。
樹高は50cm~10mと幅広く、平均樹齢は約50年らしいです。

ヒルギ (漂木) って?

このヒルギ...漢字で 漂木 と書きます 😲
マングローブの種は親の木から落ちた後、水辺を漂いながら木に成長するのです。
読んで字のごとく、とても面白い植物ですね。

根っこがすごい!


成長したマングローブの最大の特徴は、何と言っても根っこの形ですよね。
板のような根(板根)、くねくねと曲がった根(屈曲膝根)、タコの足が絡まったような根(支柱根)と独特な根っこで不安定な湿地のぬかる身の中でバランスを取りつつ呼吸をしています。
ヒルギは板根、オヒルギは膝根、ヤエヤマヒルギは支柱根とそれぞれ特徴が違います。
これらのマングローブは、地質、塩分濃度、冠水時の水深などの条件の違いに対して、それぞれの性質に適した場所を選んで棲みついています。

アスパラガス?

マングローブの種!?


マングローブの種って、こんなのです!😀
初めて見た時はびっくりしました...ほぼ アスパラガス...
左側の筆みたいになっている方が上側(新芽)で、右側のポツポツとしたものがある少し尖っている方が下側(根)になります。

マングローブは夏に花が咲き、その後約1年近く樹上で成長してこのような長細い種(胎生種子)になり、さらに次の花が咲く夏の前に樹上で発芽して抜け落ちます。
抜け落ちた種の内部はコルク質で水に浮かぶ事ができるので、発芽した新芽を水面の上に出した状態で水中に縦に浮き、海の流れに運ばれて生息地を広げる事が出来ます。
浮いている様子は、まるで魚釣りの浮きのような感じです。
そして、この浮いていたマングローブの種が、川や海で漂流し生育の条件に合う汽水域の中の窪みなどにハマって根付くことで根や葉を出して新しいマングローブとして成長していきます。
形も特徴的ですが、性質も特徴的ですね!

育て方は意外と簡単!

ポイント

マングローブの育て方は意外と簡単です 👍
ただ、高温・多湿な熱帯に生息する植物なので、普通の観葉植物などの育て方と比較すると少し注意するポイントが異なります。

■温度管理
まず、温度管理には注意する必要があります。
温度は15度以上が理想です。
沖縄県では冬場の平均的な最低気温が14度程度なので、少なくとも同じような環境が必要ということになりますね。
■湿度管理
そして、常に湿っている状態である必要があります。
観葉植物では根腐れに気を付けて水やりをする必要がありますが、マングローブはその性質から全くその心配は必要なく、水を与えすぎても根腐れする事はありません。
■その他
日当たりは直射日光でも室内の窓際程度の明るさでも大丈夫なようです。
肥料も特段必要なく、種子に蓄えた栄養で育つようです。
また、汽水域に生息していますが、必ずしも塩水が必要という訳ではなく、淡水(真水)での栽培が可能です。

育て方 1:水挿し


水挿しで育てる場合は、
■コップやペットボトルなどの入れ物を準備する
■種の長さの1/3程度の水を入れて挿しておく
たったこれだけOKです。

成長は遅いようですが、発根の様子を観察できますね。
Botanical Journeyでは、まず水挿しでの発根を目指したいと思います ✌️

育て方 2:土植え


土に植えて育てる場合は、
■底に穴の空いていない容器(底面吸水ポット、コップやペットボトルでもOK)を準備する
■市販の赤玉土や観葉植物用の土などを容器に入れる
■種の長さの1/3程度を土に埋める
■土の高さまで水を入れる
■こまめに加水して水の高さ、土の湿り気を維持する
といった手順になります。

ポイントにも記載しましたが、常に湿っている状態である事が必要なので、管理には気を付けないといけませんね。
(自然界での潮の満ち引きを考慮に入れると、容器の水を一度全部抜き、その後再び土の高さまで水を入れるという作業を繰り返すと良いかもしれません。
余裕があれば...ですが、Botanical Journeyでは試してみようかなと考えています。)

育て方 3:ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャーで育てる場合は、土で育てる場合とほぼ同じで、
■底に穴の空いていない容器(底面吸水ポット、コップやペットボトルでもOK)を準備する
■市販のハイドロカルチャー用の土(ハイドロボール)を容器に入れる
■ハイドロボールの高さまで水を入れる
■種の長さの1/3程度を土に埋める
■こまめに加水して水の高さ、ハイドロボールの湿り気を維持する
といった手順になります。

透明の容器でハイドロカルチャーを楽しめば、見た目も良くおしゃれですよね 👍
また、水の過不足を目で見てすぐに分かるというメリットだけでなく、ハイドロボールは基本的に無菌で清潔なので虫がほとんど寄ってきませんし、無臭なので室内で植物を育てる場合も気にならないなどのメリットもあるので、チャレンジしてみても良いかもしれません。

発根! \( ˆoˆ )/

根が出た!

今回は、発根の様子を観察するために水挿しで栽培をしました。
順調に発根してくれましたので、その様子を記録として掲載しておきます。


最初はポツポツとしたものがあるだけでした。
ここから根が出てくるのかしら???


ついに発根!白い根が出てるの分かりますかね???
カワイイ!!!😊😊😊


水も汚れないので放ったらかしにしていましたが、気がついたら根がしっかり成長していました!


その後、最初の1本以外にも何本かの根が出てきました。


さらに放ったらかしにしていましたが、順調に根が成長しています。


そして、ここまで伸びました!!!スゴイ!😊😊😊

ここ数年は真夏の気温も尋常じゃないので、沖縄県や鹿児島県のようなマングローブの生息地以外の地域でもスクスクと成長してくれました。
ただ、まだ芽の方は変化がなく筆のような先っぽのままです。。。
水に挿していただけなので成長が遅いのでしょうか。。。
今後は、この発根したマングローブの種を土に植え変えて観察を続けようと思います。
しっかり育ってくれると良いなぁぁぁ...

以上、マングローブの種を発根させるまでの過程でした。